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2013年3月放送 [2013年 ON AIR]

2013年3月放送

こんばんは、例年になく寒い冬もようやく終わり、一気に春爛漫、桜の便りも聞こえてくるようになりました。いかがお過ごしでしょうか、三浦郁子です。 さて、今日はオランダが誇る、チェロ奏者、アンナー・ビルスマのバッハ、無伴奏チェロ組曲をご紹介しようと思っています。 アンナー・ビルスマと彼の楽器についてお話する前に まずは一曲、ヨハン・セバスチャン・バッハの無伴奏チェロ組曲 第一番ト長調、BWV1007をお聞きください。

第一番 

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲 第一番ト長調、BWV1007でした。 アンナー・ビルスマは 1934年 オランダのハーグ生まれのチェリストです。 59年にメキシコで開かれたパブロ・カザルス国際チェロコンクールで優勝し、一躍脚光を浴び、その後 62年から69年にかけて アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者を務めています。 モダン楽器の活動をつづけながらこのころから 彼はオリジナル楽器の演奏にも取り組み始め、オリジナル楽器による四重奏団「クワトロ・アムステルダム」を結成しています。 70年代に入ると バロック・チェロによる「バッハの無伴奏チェロ組曲」を 世界各地で演奏し、また オリジナル楽器によるアンサンブル「ラルキブデッリ」を結成し、活動の場を広げました。 今、みなさんが コンサートで目にするチェロは ほとんどが モダンチェロ、と呼ばれるもので、弦もオリジナルのものとは違います。もともと チェロは エンドピンと呼ばれる 床に固定するための棒はなく、膝の間に挟んで演奏していました。 美術館で 昔の絵画をご覧になると 現在の楽器とは 少し違うことがわかると思います。 では 演奏を続けましょう。 アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第2番、ニ短調 BWV1008、どうぞ。

第二番  

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第2番、ニ短調 BWV1008でした。いかがでしたか? バッハがこの曲を作曲したころには 楽器は現在の形のものではなかったわけですから その時代の楽器により近いもので演奏することは オリジナルな音を再現するためにも 大事なことだと思います。 彼が ここで使用している楽器について、少し お話しましょう。1701年 アントニオ・ストラディバリ制作のチェロで、通称「セルヴェ」と呼ばれるものです。 非常に大きな楽器で ベルギー出身のチェロ奏者、フランソワ・セルヴェが ひざの間に挟む代わりに 地面に固定して演奏するため、エンドピンを取り付けたものです。 ざっと バッハと同じ時代から300年以上引き継がれている楽器ですが、新しい楽器にはない、深い音色が特徴です。 そんなことも加味しながら バッハの無伴奏チェロ組曲 第3番、アンナー・ビルスマのチェロでお楽しみください。

第3番  

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲 第3番でした。 アンナー・ビルスマが生まれたオランダは 花と運河の、とても魅力的な国です。 アムステルダムも 運河沿いに広がる 緑の多い、きれいな街ですが、私が よく行くのは アムステルダムから電車で30分ほどのところにある ユトレヒトという街です、かつては 大学があるだけの静かな町でしたが、最近では 運河沿いに かわいいレストランや雑貨の店が軒を連ね、アムステルダムから近いこともあって 観光客の日帰り散策に人気があるようです。街の中心の教会では パイプオルガンの演奏会などが行われ、週末には 市場や公園に多くの市民も出て、賑わいます。 アムステルダムに店を構えていた人気レストランが郊外のユトレヒトに支店を出すなど、アムステルダムの市民の憩いの場所としても 人気が高まり、去年行った際には 観光バスも見かけたのには びっくりしました。 アムステルダムから半日あれば ランチがてら 散策されることをお勧めします。 では アンナー・ビルスマのチェロを続けましょう。 バッハの無伴奏チェロ組曲第4番、変ホ長調、BWV1010 どうぞ お楽しみください。

第4番 

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第4番でした。 アンナー・ビルスマは 1979年に この無伴奏チェロ組曲を一度 録音していますが、前回では さらに古い1669年製のバロックチェロを使っていたのに対し、今回は モダン楽器ではないもの、今のチェロに近い、エンドピンがある いわば「半モダンチェロ」とでもいう楽器を使用して 演奏しています。 では 全6曲ある バッハの無伴奏チェロ組曲、第5番ハ短調、BWV1011をお聞きください。

第5番

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第5番でした 。いかがでしたか? では 最後の曲、第6番ですが、この曲だけは 楽器を変えて演奏しています。1700年ごろ、チロルで製作された楽器で 5弦のヴィオロンチェロ・ピッコロと呼ばれる楽器です。 今までの音色と どうぞ 比べてお聞きください。

第6番 
アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第6番をお聴きいただいています。今日は オランダのチェロ奏者、アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲お聴きいただきました。 いかがでしたか? 来週のこの時間は蓮村 直さんの「映画に関連したクラシック曲」 そして 来月の室内楽の時間は 私の大好きなブラームスを特集します。 どうぞ お楽しみに。 では 今日はこのへんで。明日からの一週間、どうぞ お元気で お過ごしください。 ご案内は三浦郁子でした。
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