SSブログ
2013年 ON AIR ブログトップ

2013年6月放送 [2013年 ON AIR]

2013年6月放送

こんばんは、三浦郁子です。 今夜は 久しぶりに 日本の作曲家の作品をご紹介していこうと思っています。 お聴きいただいているレディオ湘南は、湘南エリアの情報発信基地、地元密着型の放送局です。 私のことをお話したことはありませんでしたが、私は 生まれも育ちもこの湘南、藤沢です。片瀬江ノ島駅の線路際の家で生まれ、途中、関西やアメリカに住んでいた時期もありますが、ほとんどの人生をこのあたりで過ごしています。山あり、海あり、美味しいものや観光名所が多いことは、皆様、よくご存じです。古都鎌倉は 日本人だけではなく世界各地からの観光客でいつも賑わっていますし、夏の海水浴、秋の紅葉、また温暖な気候で、冬も快適に過ごせます。 今日は、私の好きな湘南の穴場をご案内しながら、邦人作品をお楽しみください。 では まずは この曲から。ロータスカルテットの演奏で 矢代秋雄の弦楽四重奏曲、1955年の作品です。

矢代秋雄:弦楽四重奏曲 

ロータスカルテットの演奏で 矢代秋雄の弦楽四重奏曲、1955年の作品でした。矢代先生には 一度 お会いしたことがあります。 先生の妹さんと私の母が親しくさせていただいていたご縁で、まだ 高校生のころ、作曲した曲を携えて お宅にお邪魔したことがありました。 穏やかな物腰が 印象的でした。 では もう一曲、清瀬保二作曲、無伴奏チェロのための2つの楽章、江口心一の演奏で どうぞ

清瀬保二:無伴奏チェロのための2つの楽章 

清瀬保二作曲、無伴奏チェロのための2つの楽章いかがでしたか?
さて、我が家の休日、日曜日の早朝、朝食前に北鎌倉に向かうことがあります。 どんなシーズンでも 7時前ならば 北鎌倉駅周辺のパーキングはどこもガラガラです。適当な場所に停めて 散策をします。 好きな界隈は あじさいで有名な明月院周辺。 だいたいは 明月院目当てで そこまでしか行かないと思いますが、明月院のわき道を進むと 趣のある小道が続き、静かで美しいエリアです。 夏でも まだ暑くなる前の時間、お寺が開門する前に引き返して帰れば、渋滞もなく、春ならば 朝掘りのたけのこや山菜が 道端の無人販売で 手に入ることもあります。 朝早くから忙しいお豆腐屋さんの店先をのぞけば きっと できたてのお豆腐をわけてくれるでしょう。それを持ち帰って 朝ごはん。 ちょっと贅沢な朝のひとときです。では、ここでもう一曲。ロータスカルテットの演奏で 三善晃作曲、弦楽四重奏曲 第3番<黒の星座>1992年の作品です。

三善晃:弦楽四重奏曲 第3番<黒の星座> 

ロータスカルテットの演奏で 三善晃作曲、弦楽四重奏曲 第3番<黒の星座>でした。湘南の冬の海辺もなかなかのものです。 暖かい昼間ならば 外にテーブルをだしている店でお蕎麦やパスタを食べても 凍えることはありません。由比ヶ浜や逗子の住宅街には ひっそりと隠れ家的なレストランがたくさんあります。我が家はいつも犬連れ、テラス席のある店を探していますが、けっこう このエリアには多くあります。 夏の昼間は暑いテラスも、涼風がたつ夕刻は気持ちがいいし、冬ならば 暑いスープで 温まることもできます。四季折々、色々な楽しみ方ができる湘南、さて、これからの梅雨は どんな愉しみ方をしましょうか。では、田中千香士のヴァイオリン、安田謙一郎のチェロ、アンリエット・マリー・ピュイグ=ロジェのピアノで 矢代秋雄の ピアノ三重奏曲、1948年の作品を どうぞ。 

矢代秋雄:ピアノ三重奏曲 

田中千香士のヴァイオリン、安田謙一郎のチェロ、アンリエット・マリー・ピュイグ=ロジェのピアノで 矢代秋雄の ピアノ三重奏曲でした。いかがでしたか? では ここで、私が 何曲か、初演をさせていただいたことのある作曲家をご紹介しましょう。安藤久義さん、クラシック音楽だけでなく ミュージカル、演劇、朗読など、舞台関連の作品も多く作曲されています。では安藤久義作曲、無伴奏チェロのための<モノローグ>、江口心一の演奏でどうぞ。
 
安藤久義:無伴奏チェロのための<モノローグ> 

江口心一の演奏で、安藤久義:無伴奏チェロのための<モノローグ>でした。では ここで 我が国が誇る、世界的な作曲家、武満 徹の作品を2曲 ご紹介しましょう。まずは
上村 昇のチェロ、藤井一興のピアノで ORION、1984年の作品です。

武満 徹:ORION

上村 昇のチェロ、藤井一興のピアノで ORION 武満 徹の作品でした。 では もう一曲、武満 徹作曲、A WAY A LONE アルディッティ弦楽四重奏団の演奏で、1981年の作品です。
武満 徹:A WAY A LONE

武満 徹作曲、A WAY A LONE アルディッティ弦楽四重奏団の演奏で、お聴きいただいています。 今日は 邦人の作品を集めて ご紹介してきました。いかがでしたか? 2005年から 毎月、室内楽を担当し、楽しく放送を続けてきましたが、私の放送は、今日が最後となりました。 これまで、お聴きいただきまして ありがとうございました。今後も、あちこちのコンサートで 演奏をしておりますので、 機会がありましたら ご来場いただけますことを お待ちしております。 今後とも レディオ湘南、湘南クラシックサロンを どうぞ よろしくお願いいたします。 来週のこの時間は 蓮村 直さんの「映画に関連したクラシック曲」です。 では 今夜はこのへんで。ご案内は三浦郁子でした。

2013年5月放送 [2013年 ON AIR]

2013年5月放送

今晩は、三浦郁子です。今日は 大好きなイタリア、ヴェネチア近郊をご案内しながら、名曲、ヴィヴァルディの四季をお聴きいただこうと思っています。 ヴィヴァルディの四季、どなたでも 一度は耳にされたことのある 名曲中の名曲です。 私が 中学生の頃、はじめて買ったレコードが この曲でした。ヴィヴァルディはイタリア後期バロック最大の作曲家であり、ヴァイオリニストでした。 この曲は 「和声と創意への試み」と題された 作品8の協奏曲集の 第1番から第4番までに当たるヴァイオリン協奏曲です。協奏曲では はじめてとなる標題音楽で、楽譜には 作者不明のソネットと呼ばれる定型詩がついており、その内容に忠実に音が表わされています。 春、夏、秋、冬の順番で 書く3楽章づつ、計12曲からなっています。 では 私が最初に買ったレコードでもある演奏、イタリア語で「音楽家たち」を意味する、イ・ムジチ合奏団の演奏で アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」 全曲をお楽しみください。

四季 

イ・ムジチ合奏団の演奏で アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」 全曲でした。いかがでしたか? ソネットの内容を読みながら 曲を聞いていると そのすべてが見えるようで ぜひ、定型詩も合わせて楽しんでいただきたい曲です。 ヴィヴァルディが生まれたヴェネチアは その規模と、点在する島々の魅力とともに 観光地として とても人気がありますが、もし、時間があれば 近郊の町にも 静かで素敵なところがたくさんあります。 スロベニアとの国境の町、かつては オーストリア領だったトリエステもそのひとつ、美しい海岸線をもつ漁師まちでもあります。 オーストリア領だった名残りが あちこちに残っていて、ミラマーレ城は 青い海を背にした白亜の城、また 町のいたるところには ウィーン風のカフェが点在しています。 イタリアの誇る詩人、ウンベルト・サバの書店がいまでもあり、女流作家、須賀敦子さんゆかりの土地でもあります。 須賀さんの大ファンである私は 彼女の作品にでてくる地名を追って ドゥイノ、アクアレイア、ウディネ 近郊の小さな町を訪ね歩きました。 ローカル線に乗って 海風を感じながら 静かな町に降り立ち、細い路地を迷いながら 歩きまわるのは 至福のひとときです。 いつも 申し上げることですが、観光の途中、雑踏と人の波に疲れたら ほんの30分 電車に乗って 郊外の小さい町を訪れてみるのは お勧めです。 名もない町や村にも 自然と人々の生活があり、石畳の一つ一つに 歴史があります。 では ヴィヴァルディの協奏曲集を続けましょう。 「調和の幻想」と題された 作品3の曲集の中から、第6番イ短調、同じく イ・ムジチ合奏団の演奏で どうぞ。

協奏曲 第6番 
イ・ムジチ合奏団の演奏で ヴィヴァルディの協奏曲 第6番でした。 では 続けて第8番 イ短調を そして 第10番 ロ短調を、イ・ムジチ合奏団の演奏で お聴きください。

協奏曲 第8番 


協奏曲 第10番 

イ・ムジチ合奏団の演奏で ヴィヴァルディの協奏曲 第8番と第10番でした。いかがでしたか? ヴェネチアは 近年、水位があがり、ちょっとした雨で、サンマルコ広場が水に浸かってしまうことが多くなりました。 水路に面した入り口の階段が 半分ほど 水没していて ゴンドラやボートを接岸するのが難しくなっている場所もあります。これも、地球温暖化の影響なのかもしれませんが、慣れたもので 地元の人は 雨が降ればドアのところに 土のうを積み、長靴を履いて いつもと変わらぬ生活をしています。 ヴァポレットという水上バスが行き交い、車のない町の中は 本当に迷路になっていて、地図など持っていても あまり役に立ちません。 時間を忘れ、迷うことを楽しみながら、小さい橋を渡り 運河を眺めて 歩きまわるのが ヴェネチアの楽しみ方です。 では ここで、ドニゼッティの弦楽四重奏曲を2曲、ご紹介しましょう。 あまり 演奏頻度は多くありませんが、オペラ「愛の妙薬」でおなじみの ドニゼッティ、軽めの響きが いかにもイタリア的で 愛されている作曲家の一人です。 では ドニゼッティの弦楽四重奏曲 第3番、イタリア合奏団の演奏で、どうぞ。

ドニゼッティ:弦楽四重奏曲 第3番 

ドニゼッティの弦楽四重奏曲 第3番、イタリア合奏団の演奏でした。 では もう一曲、同じく ドニゼッティの弦楽四重奏曲、第5番 イタリア合奏団の演奏で どうぞ。

ドニゼッティ:弦楽四重奏曲 第5番 

イタリア合奏団の演奏で ドニゼッティの弦楽四重奏曲をお聴きいただいています。今日はヴィヴァルディの「四季」を中心に お送りしてきました。いかがでしたか? 来週のこの時間は 川口 博さんのオペラ、そして 来月の室内楽の時間は 久しぶりに 日本の作曲家の作品をご紹介しようと思っています。 どうぞ お楽しみに。では 今夜はこのへんで。ご案内は三浦郁子でした。

2013年4月放送 [2013年 ON AIR]

2013年4月放送

こんばんは、三浦郁子です。 今夜はヨハネス・ブラームスの 弦楽五重奏曲2曲と弦楽六重奏曲2曲、大好きであるにもかかわらず ピアニストである私が 絶対に演奏できない曲を4曲、ご紹介したいと思います。 作品番号の若い順で、まずはこの曲、ブラームスの弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 作品18、ヴァイオリン、ユーディ・メニューインとロバート・マスターズ、 ヴィオラ、セシル・アロノヴィッツとエルンスト・ウォルフィッシュ、 チェロ、モーリス・ジャンドロンとデレク・シンプソンの演奏で どうぞ。

弦楽六重奏曲 

ヴァイオリン、ユーディ・メニューインとロバート・マスターズ、 ヴィオラ、セシル・アロノヴィッツとエルンスト・ウォルフィッシュ、 チェロ、モーリス・ジャンドロンとデレク・シンプソンの演奏で ブラームスの弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18でした。 いかがでしたか? 次にご紹介する もう一曲の弦楽六重奏とともに、この2曲は ブラームスが まだ 30歳のころの作品で 大作のドイツ・レクイエムや 交響曲を完成する前のものになっています。 若々しい躍動感とエネルギーがみなぎる 若いブラームスの初期の傑作として 大変人気のある曲です。 では もう一曲の弦楽六重奏曲、ト長調、作品36を、同じく ヴァイオリン、ユーディ・メニューインとロバート・マスターズ、 ヴィオラ、セシル・アロノヴィッツとエルンスト・ウォルフィッシュ、 チェロ、モーリス・ジャンドロンとデレク・シンプソンの演奏でどうぞ。

弦楽六重奏曲 

ヴァイオリン、ユーディ・メニューインとロバート・マスターズ、 ヴィオラ、セシル・アロノヴィッツとエルンスト・ウォルフィッシュ、 チェロ、モーリス・ジャンドロンとデレク・シンプソンの演奏で ブラームスの 弦楽六重奏曲 第2番 ト長調 作品36でした。 さて、ドイツの南、温泉保養地で有名なバーデン・バーデンの郊外に ブラームス博物館があるのを ご存じでしょうか。 シューマンの妻、クララを生涯、陰ながら支えつづけたブラームスが 点々とした住居の一つが バーデン・バーデンの郊外にあり、その家は 現在 ブラームスの遺品や楽譜を展示する博物館として 一般に公開されています。大きな目印もなく、うっそうとした木立の中に ひっそりとたたずむ、古い家。温泉に入る、という主人と別れて 一人バスで訪れたのは もう かなり前のことです。そのだけ、時間がとまってしまったような、周りは何もなく場所ですが、それだけに いまだに ブラームスの魂が残っているような気がしたことを 覚えています。 では ブラームスの弦楽五重奏曲をご紹介しましょう。 ベルリン・フィルハーモニー八重奏団、アルフレッド・マレチェックとフェルディナント・メツガーのヴァイオリン、土屋邦雄とディートリヒ・ゲルハルトのヴィオラ、ペーター・シュタイナーのチェロで ブラームスの弦楽五重奏曲、第一番 ヘ長調 作品88をお楽しみください。

弦楽五重奏曲 第1番   

ベルリン・フィルハーモニー八重奏団、アルフレッド・マレチェックとフェルディナント・メツガーのヴァイオリン、土屋邦雄とディートリヒ・ゲルハルトのヴィオラ、ペーター・シュタイナーのチェロで ブラームスの弦楽五重奏曲、第一番 ヘ長調 作品88でした。いかがでしたか? では 今日、最後の曲、ブラームス晩年の傑作、もうひとつの 弦楽五重奏曲をご紹介しましょう。 7回目のイタリア旅行のあと、ブラームスが晩年、好んで滞在したイシュルで 書きあげた渾身の一曲、事実、ブラームスは この作品を書き上げたあと、一時期、創作意欲を失うほど この曲に思い入れた、と言われています。 それでは ブラームス57歳のときの作品、弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 作品111、ベルリン・フィルハーモニー八重奏団、アルフレッド・マレチェックとフェルディナント・メツガーのヴァイオリン、土屋邦雄とディートリヒ・ゲルハルトのヴィオラ、ペーター・シュタイナーのチェロで どうぞ。

弦楽五重奏曲 第2番  

ブラームスの弦楽五重奏曲をお聴きいただいています。 ブラームスの弦楽六重奏曲と五重奏曲を全曲 お聴きいただいてきた 今日の湘南クラシックサロン、いかがでしたか?来週のこの時間は 川口 博さんのオペラ、そして 来月の室内楽の時間は イタリアのヴェネチア近郊をご案内しながら ヴィヴァルディの四季をお聴きいただこうと思っています。どうぞ お楽しみに。 では 今夜はこのへんで、ご案内は三浦郁子でした。

2013年3月放送 [2013年 ON AIR]

2013年3月放送

こんばんは、例年になく寒い冬もようやく終わり、一気に春爛漫、桜の便りも聞こえてくるようになりました。いかがお過ごしでしょうか、三浦郁子です。 さて、今日はオランダが誇る、チェロ奏者、アンナー・ビルスマのバッハ、無伴奏チェロ組曲をご紹介しようと思っています。 アンナー・ビルスマと彼の楽器についてお話する前に まずは一曲、ヨハン・セバスチャン・バッハの無伴奏チェロ組曲 第一番ト長調、BWV1007をお聞きください。

第一番 

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲 第一番ト長調、BWV1007でした。 アンナー・ビルスマは 1934年 オランダのハーグ生まれのチェリストです。 59年にメキシコで開かれたパブロ・カザルス国際チェロコンクールで優勝し、一躍脚光を浴び、その後 62年から69年にかけて アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者を務めています。 モダン楽器の活動をつづけながらこのころから 彼はオリジナル楽器の演奏にも取り組み始め、オリジナル楽器による四重奏団「クワトロ・アムステルダム」を結成しています。 70年代に入ると バロック・チェロによる「バッハの無伴奏チェロ組曲」を 世界各地で演奏し、また オリジナル楽器によるアンサンブル「ラルキブデッリ」を結成し、活動の場を広げました。 今、みなさんが コンサートで目にするチェロは ほとんどが モダンチェロ、と呼ばれるもので、弦もオリジナルのものとは違います。もともと チェロは エンドピンと呼ばれる 床に固定するための棒はなく、膝の間に挟んで演奏していました。 美術館で 昔の絵画をご覧になると 現在の楽器とは 少し違うことがわかると思います。 では 演奏を続けましょう。 アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第2番、ニ短調 BWV1008、どうぞ。

第二番  

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第2番、ニ短調 BWV1008でした。いかがでしたか? バッハがこの曲を作曲したころには 楽器は現在の形のものではなかったわけですから その時代の楽器により近いもので演奏することは オリジナルな音を再現するためにも 大事なことだと思います。 彼が ここで使用している楽器について、少し お話しましょう。1701年 アントニオ・ストラディバリ制作のチェロで、通称「セルヴェ」と呼ばれるものです。 非常に大きな楽器で ベルギー出身のチェロ奏者、フランソワ・セルヴェが ひざの間に挟む代わりに 地面に固定して演奏するため、エンドピンを取り付けたものです。 ざっと バッハと同じ時代から300年以上引き継がれている楽器ですが、新しい楽器にはない、深い音色が特徴です。 そんなことも加味しながら バッハの無伴奏チェロ組曲 第3番、アンナー・ビルスマのチェロでお楽しみください。

第3番  

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲 第3番でした。 アンナー・ビルスマが生まれたオランダは 花と運河の、とても魅力的な国です。 アムステルダムも 運河沿いに広がる 緑の多い、きれいな街ですが、私が よく行くのは アムステルダムから電車で30分ほどのところにある ユトレヒトという街です、かつては 大学があるだけの静かな町でしたが、最近では 運河沿いに かわいいレストランや雑貨の店が軒を連ね、アムステルダムから近いこともあって 観光客の日帰り散策に人気があるようです。街の中心の教会では パイプオルガンの演奏会などが行われ、週末には 市場や公園に多くの市民も出て、賑わいます。 アムステルダムに店を構えていた人気レストランが郊外のユトレヒトに支店を出すなど、アムステルダムの市民の憩いの場所としても 人気が高まり、去年行った際には 観光バスも見かけたのには びっくりしました。 アムステルダムから半日あれば ランチがてら 散策されることをお勧めします。 では アンナー・ビルスマのチェロを続けましょう。 バッハの無伴奏チェロ組曲第4番、変ホ長調、BWV1010 どうぞ お楽しみください。

第4番 

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第4番でした。 アンナー・ビルスマは 1979年に この無伴奏チェロ組曲を一度 録音していますが、前回では さらに古い1669年製のバロックチェロを使っていたのに対し、今回は モダン楽器ではないもの、今のチェロに近い、エンドピンがある いわば「半モダンチェロ」とでもいう楽器を使用して 演奏しています。 では 全6曲ある バッハの無伴奏チェロ組曲、第5番ハ短調、BWV1011をお聞きください。

第5番

アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第5番でした 。いかがでしたか? では 最後の曲、第6番ですが、この曲だけは 楽器を変えて演奏しています。1700年ごろ、チロルで製作された楽器で 5弦のヴィオロンチェロ・ピッコロと呼ばれる楽器です。 今までの音色と どうぞ 比べてお聞きください。

第6番 
アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲第6番をお聴きいただいています。今日は オランダのチェロ奏者、アンナー・ビルスマのチェロで バッハの無伴奏チェロ組曲お聴きいただきました。 いかがでしたか? 来週のこの時間は蓮村 直さんの「映画に関連したクラシック曲」 そして 来月の室内楽の時間は 私の大好きなブラームスを特集します。 どうぞ お楽しみに。 では 今日はこのへんで。明日からの一週間、どうぞ お元気で お過ごしください。 ご案内は三浦郁子でした。

2013年2月放送 [2013年 ON AIR]

2013年2月放送

こんばんは、三浦郁子です。 さて、今日は ハンガリーの作曲家をご紹介しながら、ブダペストの街から、ハンガリー料理のお話をしようと思っています。では まずこの曲から。 バルトークの弦楽四重奏曲、第4番 アルバン・ベルグカルテットの演奏でどうぞ。

バルトーク:弦楽四重奏曲 第4番 

バルトークの弦楽四重奏曲、第4番 アルバン・ベルグカルテットの演奏でした。 ウィーン滞在中に 一泊で訪れた、ハンガリーのブダペスト、ウィーンで 観光ビザを発行してもらったのですが、それが けっこう高くてびっくりしました。その代り すぐに発行してくれるので ちょっと 行ってみたい、と思い立ったら 日帰りでも 可能です。 ドナウの真珠、と言われる美しい町、ブダペスト、ほぼ中央にドナウ川が流れ その西側をブダ、東側をペストと言い、ブダペストは その総称となっています。 ブダは ドナウ川から丘がせり上がっていて 緑も多く、閑静な住宅街となっています。マーチャーシュ山、バルトーク記念館、ばらの丘、王宮や王宮の丘があるのも この ブダ側です。 反対に ペスト側は平らで 商店や工場、劇場が集中している活気のあるエリアです。 今日は ブダペストの町のご紹介ではなく、珍しいハンガリー料理について 少しご紹介したいと思います。 その前にもう一曲、マリア・クリーゲルのチェロで ゾルタン・コダーイの無伴奏ソナタ 作品8をお聴きください。

コダーイ:ソナタ 

マリア・クリーゲルのチェロで ゾルタン・コダーイの無伴奏ソナタ 作品8でした。いかがでしたか? さて、ハンガリー料理、と聞いて まっさきに思い出すのが 今やインターナショナルな料理になった グヤーシュ、パプリカをたっぷり入れた 牛肉と野菜のスープで 家庭によって味や材料は様々、これ一品で 寒いからだが温まり、栄養も十分です。同じく スープで ハラースレーというのがありますが、こちらは 魚のスープ、鯉やなまずのぶつ切りを パプリカのスープで煮込んだものです。 珍しいものでは 冷たい果物のスープ、ヒデグ・ジュメルチレヴェシュという 舌を噛みそうな名前のスープもあります。サクランボだけを使った特別なものは メッジレヴェシュ、他の国では食べられない、夏限定のメニューだそうです。 メインの料理のご紹介の前に もう一曲、
ドホナーニの ピアノ五重奏曲 第1番 ハ短調 作品1を シューベルトアンサンブル・オブ・ロンドンの演奏で どうぞ。

ドホナーニ:ピアノ五重奏曲 第1番 

ドホナーニの ピアノ五重奏曲 第1番 ハ短調 作品1を シューベルトアンサンブル・オブ・ロンドンの演奏でした。 スープに続いて出てくるメインの料理では 日本でもおなじみの ピーマンに肉詰め、テルテット・パプリカや ハンガリー風のトンカツ セルテーシュボルダ、タルタルステーキなどがあります。 デザートでは パラチンタと「いうクレープが有名で 店によって 色々なバリエーションがあります。 また 実際に食べたものでは シュムローイ・ガルシュカという 小さく切ったスポンジケーキに ナッツやラム酒、チョコレートと生クリームをかけたパフェがありますが、ちょっと げんなりする甘さでした。 では 今日 最後の曲、実は 来月 3月3日 日曜日、私が主宰する室内楽コンサートシリーズ「ピアノと仲間たち」の演奏会が 横浜、港のみえる丘公園横の ゲーテ座で開催予定です。 開演は 2時、曲目は モーツァルトのピアノ四重奏曲と 珍しいリヒャルト・シュトラウスのピアノ四重奏曲です。ヴァイオリンは 木全利行さん、ヴィオラは古川原裕仁さん、チェロは藤村俊介さん、そして ピアノは私 三浦郁子です。 詳細、お問い合わせは ピアノと仲間たちのHPか 電話0466-50-7521までお願いいたします。 では 演奏予定の曲から、リヒャルト・シュトラウスのピアノ四重奏曲を アメスピアノカルテットの演奏でお時間までお聴きください。


シュトラウス:ピアノ四重奏曲 第2番 

(途中から)リヒャルト・シュトラウスのピアノ四重奏曲をお聴きいただいています。今日は ブダペストの味をご案内しながらハンガリーの作曲家の作品をご紹介してきました。いかがでしたか? 来週のこの時間は 川口 博さんのオペラ、そして 来月の室内楽の時間は オランダのユートレヒトをご案内しながら オランダが誇る、チェロ奏者、アンナー・ビルスマの演奏をお楽しみいただこうと思っています。どうぞ お楽しみに。では 今日はこのへんで。ご案内は三浦郁子でした

2013年1月放送 [2013年 ON AIR]

2013年1月放送

新しい年、2013年も 早 一ヶ月が過ぎようとしています。こんばんは、三浦郁子です。今年最初の室内楽の時間にようこそ。今日は 南フランスのアルルをご案内しながら フランスの作曲家、ヴィドール、ラヴェル、ショーソンの作品をご紹介していこうと思っています。 では まずこの曲から。 チャールス・マリー・ヴィドールのピアノ四重奏曲、アメスピアノカルテットの演奏で どうぞ。

ヴィドール:ピアノ四重奏曲 

アメスピアノカルテットの演奏で ヴィドールのピアノ四重奏曲でした。 ワーグナーの影響を強く受けた、とされるこの曲、あまり 演奏頻度は多くありませんが、ヴィドールらしい和声と独特のロマンチックなメロディーが美しい曲です。 さて、南フランス、プロヴァンスの明るい太陽に 巨匠 ゴッホも魅せられたアルル、マルセイユから列車で40分、パリからでも アヴィニョンで乗り換えて 3時間半ほど、ぜひ 一泊して 夕暮れのひとときを過ごしてほしい町のひとつです。 町としては小さいものの、みどころが多いので 余裕があれば ここに宿をとり 周辺の村の散策もあわせて 数日 滞在したいところです。 小さいわりには ホテルの数が多く、復活祭やお祭りがある以外は 予約なしで訪れても 十分 宿は確保できます。パリを早くに出て、午前中のうちにアルルに着き、まずは 居心地のよさそうな宿を探し、荷物を置いて 散策に出かけるのがお勧めです。人気の観光地、マルセイユやアヴィニョンにも近いので 宿は移動せず アルルを拠点に プロヴァンス地方を歩くのが いいと思います。 ヨーロッパ、どこの町でも言えることですが、大きな町は それなりに高く、ビジネスマンもいるため、利便性の高いホテルは多いですが、小さな宿にこそ、その町、村の魅力があるもの、休暇で行くなら ぜひ、小さい町の 小さいホテルが お勧めです。 必ず オーナー心づくしのもてなしと、居心地のよい空間が約束されます。 さて、アルルですが、まずは ゴッホの「夜のカフェテラス」のモデルとなったカフェ、カフェ・ヴァン・ゴッグに行って 軽いランチなどいかがでしょうか。 フォーロム広場で ひときわ目立つ 黄色い壁が目印です。このほかにも ゴッホの「黄色い家」のモデルとなったホテルや 有名な跳ね橋、アルルには ゴッホゆかりの場所が多く点在しています。 のんびりと それらを眺めながら 美しいアルルの町の散策をすれば あっという間に 午後の時間が過ぎていきます。ではここで ラヴェルの作品を一曲、私も大好きな曲です。ピアノ1台、また オーケストラと、色々な編成で 編曲されていますが、今日は2台ピアノの演奏をご紹介しましょう。
アリアナ・ゴルディナとレミー・ラムブローゾのピアノで ラヴェルのラ・ヴァルス、2台ピアノの演奏で どうぞ

ラヴェル:ラ・ヴァルス 
アリアナ・ゴルディナとレミー・ラムブローゾのピアノで ラヴェルのラ・ヴァルスでした。いかがでしたか? フランスらしい とても 洒落た曲だと思います。 では ラヴエルの作品から もう一曲、ラプソディー・エスパニュール、同じく アリアナ・ゴルディナとレミー・ラムブローゾのピアノで どうぞ。

ラヴェル:ラプソディー・エスパニュール 

アリアナ・ゴルディナとレミー・ラムブローゾのピアノで ラヴェルの ラプソディー・エスパニュールでした。 アルルの魅力・みどころは まだまだあります。無数のローマ遺跡です。紀元前1世紀に作られた古代劇場、1万人もの観客を収容できるというこの劇場は、中世 アルルの都市づくりのために ここにあった大理石の柱や彫刻を使った、と言われています。 今は 数本の柱が残るのみ、ですが、当時の様子を想像すると とても面白い場所で、不思議と廃墟な感じがしないのも この劇場の完成度の高さ、ゆえだと思います。 今でも コンサートやバレエの舞台として 使われています。 では ショーソンの作品から 一曲、ルードヴィッヒカルテットの演奏で ショーソンの弦楽四重奏曲 ハ短調 作品35を お聴きください

ショーソン:弦楽四重奏曲 

ルードヴィッヒカルテットの演奏で ショーソンの弦楽四重奏曲 ハ短調 作品35でした。アルルには 他に プロヴァンス地方で もっとも美しいといわれるロマネスク様式のサン・トロフィームーム教会と その回廊、博物館では詩人、フレデリック・ミストラルが ノーベル賞の賞金をもとに作ったアルラタン博物館や古代アルル博物館、などがあり、博物館めぐりだけでも 時間がかかります。 疲れたら ローマ墓地 アリスカンの参道を ゆっくりと散策するのもお勧めです。秋の紅葉が 最も美しい季節、ゴッホとゴーギャンも ここに並んで 制作をしたと言われています。 では 美しいアルルの景色を思いながら、ぴったりの曲をご紹介しましょう。オルフェウス室内合奏団の演奏で サティのジムノペディ第1番、そして ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、続けてどうぞ

サティ:ジムノペディ第1番 
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ 

オルフェウス室内合奏団の演奏で サティのジムノペディ第1番、そして ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌでした。いかがでしたか? 南スランス、プロヴァンス地方のアルルをご案内しながら フランスの作曲家の作品をご紹介してきた、今日の クラシックサロン、いかがでしたか? 来週のこの時間は 川口 博さんのオペラ、そして 来月の室内楽の時間は ハンガリーのブダペストと ハンガリー料理をご紹介しながら ハンガリーの作曲家の作品を聞いていただこうと思っています、どうぞ お楽しみに。では 今夜はこのへんで。ご案内は三浦郁子でした。
2013年 ON AIR ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。