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2012年6月放送 [2012年 ON AIR]

2012年6月放送

三浦郁子です。インドから 帰ってきました、と申し上げるはずでしたが、実は インド旅行はドタキャンとなりました。 理由は色々あるのですが、大まかにいえば インド国内の飛行機が 経営状態悪化で運行しなくなり、移動の方法が当初の予定とかなり変更になったため、日程に不安が生じたためです。 列車、バスといった 代替案での対処になったわけですが、きっちり 定刻で運行することなどない国、帰国便に乗り遅れると 翌日は飛行機の便がないとか、困った状況が出てきました。 欧米と違って こちらは まだ学期の途中、主人も私も 仕事に支障が出ることが考えられたため、向こうの仕事は 泣く泣く 断りを入れました。 インドとネパールの国境、アルモラ、2000mの美しい村での滞在予定でしたが、残念でした。 きっとまたチャンスはあるでしょう。 でも せっかくインドのお話をする予定だったので、今日はインド音楽をご紹介しながら 以前、インドに行ったときのことを 少しお話したいと思います。 では まず この曲から。
インドの民族楽器、リュートに似たサロッドという楽器の演奏です、ラーガ・ミスラ・マンド、 サロッド奏者ムリナル・セン・グプタの演奏でどうぞ。

ラーガ・ミスラ・マンド 

インドの民族楽器、サロッドという楽器の演奏で、ラーガ・ミスラ・マンドでした。
私は過去、インドに2回行っています。以前に 南インド ケララ州のトリバンドラムというところを ご紹介したと思いますので、今回は チェンナイにある世界遺産、マハーバリプラムのご案内をしながら インド観光のノウハウをお話したいと思います。チェンナイは インドの南、ケララ州とは反対側の 東側に位置した海岸に面した町です。ご存じのように インドと一口に言っても 地域によって その発展度は様々で デリーのように 昔からの街は かえって昔ながらの街並みが残っているのに 今まで何もなかった田舎に 突然IT関連の大きな研究所ができたりして 急速に発展、欧米化したところもあります。 チェンナイは どちらかというと 後者のほうで、とてつもなく大きな コンピューターソフトの会社ができて、急に賑やかな町になったそうです。 とはいえ、車で15分も走ると のどかな田園風景に 牛や水牛、ヤギがのんびり道を渡っています。 世界遺産のマハーバリプラムは チェンナイの街から 車を飛ばして 1時間、ベンガル湾に面したところにあります。 海岸に砂でつくった 巨大な造形物が並んでいる、海岸寺院の世界遺産です。 すんなり入れると思ったら大間違いで ここから 執拗に迫ってくるガイドと物売りを なんとかすり抜けて海岸寺院に入るのが 一苦労です。 外人用の入場料は インド人のほぼ 10倍、500円くらいを支払って 7世紀に作られた海岸寺院に入ってみました。 では ここでもう一曲、同じくムリナル・セン・グプタのサロッド演奏で カシック・ダンスをどうぞ。

カタック・ダンス 

ムリナル・セン・グプタのサロッド演奏で カシック・ダンスでした。 マハーバリプラムの海岸寺院は ベンガル湾の穏やかな海と青い空を背に 2つの寺院で成り立っています。 本当に海の近くなのに、よく7世紀の昔から その姿を保っているものだと思います。インドの神様、シヴァとビシュヌが祭られていて 本当に 静かな佇まいです。
ところが 一歩 寺院を出ると ワラワラと物売りが寄ってきます。シルクの絵、楽器に絵葉書、仏像に貝殻のネックレス、とにかく 彼らは外国人の観光客がターゲットですから 行く手を阻むように どこまでも ついてきます。 買う気があれば ここで 値引き交渉が始めるのですが、それが もう交渉というよりは ゲームです。 たとえば、シルクの絵、300ルピーだと言われて それをそのまま買う人はいません。 まったく取り合わず 歩き続けると そのうち「いくらなら買うのか」と聞かれます。 そこで 少なくとも 半額、それ以下の値段を提示します。 もちろん、相手は 「とんでもない」というでしょうが、買う気がなければ それ以上 譲歩せず 断ります。 多少 買う気があれば こちらも 譲歩して「3枚500ルピーなら」というと「700ならどうか」と言ってきます。 もちろん 「3枚500以上は出さない」と突っぱねると ようやく商談が成立しますが、それでも「あと 50出してくれ」などと言われたら そこで 商談は決裂です。 あとは さっさと 3枚選んで そこを立ち去らないと「もっとどうか?」と勧めてきますので 長居は無用ですね。 では ここで一曲、同じく サロッドの演奏で ルーパック・タールをお聞きください。

ルーパック・タール 

サロッドの演奏で ルーパック・タールでした。 海岸寺院のそばに 5つの寺院があります。ここは 一つの巨大な岩でできた寺院で、インドの寺院のすべては ここの5つの寺院のどれかを基にして 造られているそうです。 細かい彫刻が見事で 素晴らしいものです。 このあたりでも 物売りの攻勢はすごく、ここでは しつこくガイドにもつきまとわれました。「自分はガイドではなく 人助けに案内をするのだ」と主張しますが、必ずあとで バクシーシという「施し」を要求してきますので きっぱりと断るのが賢明です。もし 本当に ガイドが必要なら きちんと 政府公認の名札をつけている人と 最初に値段の交渉をしてから、がいいと思います。 とはいっても その値段もあとで あれもやった、これも追加、と面倒なことを言ってくるので そういうのが嫌な人は 関わらないほうがいいでしょう。 では また一曲、同じく サロッドの演奏で ラーガ・ヘマント、どうぞ。

ラーガ・ヘマント 
                               
                                   
サロッドの演奏で、ラーガ・ヘマントでした。いかがでしたか? インドで 一番気をつけることは 飲み水です。 単に飲むだけではなく、水で洗ったものは要注意です。 笑い話があって インド旅行中 細心の注意を払い、インドの水を一切 口にせず 無事に過ごした人が 帰りの飛行機の中で出された生野菜を食べて 食当たりをした、という話です。飛行機の中、とはいえ インドの水で洗った生野菜ですから 油断禁物です。 でも しばらくインドに滞在していると それもストレスがたまってきます。 そういう時は 観光地に立つ、外資系のリゾートホテルのレストランに行ってみましょう。 生水は それでも怖いですが、アイスクリームくらいは 安心して食べられるでしょう。 歯を磨くときも 気をつけて ミネラルウォーターで 口をすすぐようにしないと危険です。では今度はインドの代表的な太鼓、ムリダンガムの演奏です。 ムリダンガム・ソロを ムリダンガム奏者、パルガート・ラグーの演奏で どうぞ

ムリダンガム・ソロ 

ムリダンガム・ソロでした。 いかがでしたか? インドの旅、色々 面倒そうだとお感じになったかもしれませんが、確かに 日本のような無防備ではいられないものの、底知れない魅力もあります。 「こういうものだ」と思えば 楽しいし、何か 枠のない、とても自由な気分にもなれます。 ぜひ一度、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
では ムリダンガムの演奏で、ボーギンドラ・サーイナムと ミーナークシを 続けてお楽しみください。

ボーギンドラ・サーイナム 
ミーナークシ 
                             

ムリダンガムの演奏で、ボーギンドラ・サーイナムと ミーナークシでした。今日は インドのお話をしながら インドの伝統楽器の演奏をお楽しみいただきました。いかがでしたか? (GBM)来週のこの時間は 蓮村 直さんの「映画に関連したクラシック曲」そして 来月の室内楽の時間は デンマークのコペンハーゲンをご案内しながら ニールセンの作品を中心にお送りしよおうと思っています。では 今日はこのへんで。 ご案内は三浦郁子でした

ティヤガラージャ
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