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2012年9月放送 [2012年 ON AIR]

2012年9月放送

暑かった夏が終わり、秋の気配がしてきました。 三浦郁子です。 今日は 先月に引き続き、7月に旅した ポルトガルをご案内しながら 今 話題のファドの歌い手、テラ・マリーザをたっぷりと 聴いていただきたいと思っています。その前に ちょっと演奏会のご案内です。 10月6日 土曜日、午後2時から藤沢のリラホールで 湘南コンサートの会主催の室内楽演奏会が開催されます。 曲目はアレンスキーのピアノ三重奏曲とベートーベンのピアノ三重奏曲「大公」です。ヴァイオリンは NHK交響楽団の木全利行さん、チェロは同じくNHK交響楽団の次席チェロ奏者、藤村俊介さん、そして ピアノは私、三浦郁子です。

演奏会の詳細、また チケットのお申込みは 湘南コンサートの会、電話0466-22-2721までお願いいたします。チケットは一般3000円、学生2000円、湘南コンサートの会会員は無料です。では マリーザの素晴らしい歌声から、悲しみは終わった、私の心、2曲 続けてどうぞ。

悲しみは終わった  
私の心             

テラ・マリーザの歌で 悲しみは終わった、私の心、でした。 テラ・マリーザは 1973年 アフリカ南東部のモザンビークで生まれました。 モザンビークは 1975年の独立まで 400年以上に渡り、ポルトガルに植民地支配され続け、その間、ブラジルへも たくさんの黒人奴隷が売られていったそうです。 マリーザの父はポルトガル人で母はモザンビークの女性、彼女が3歳のときに ポルトガルに帰国、リスボンのアルファマ地区で育ちました。 まさしく ファドの聖地とも言うべきアルファマ地区でファドの歌い手、ファディスタ マリーザが生まれたわけです。 両親が経営していたレストランで歌い始めた彼女は メキメキ頭角を現し、最初のアルバムは いきなり10万枚の記録的ヒットとなり その地位を確立、今 人気・実力ともに ナンバー1の若手歌い手となっています。 では そのマリーザの歌声を もう少し。 白いバラ、心のファド、続けてどうぞ。

白いバラ             
心のファド            

マリーザで 白いバラ、心のファドでした、いかがでしたか? リスボンの友人に 誰が人気があるのか、聞いてみたところ、即座にマリーザの名前が出てきたので ファド博物館の視聴室で 早速聞いてみて たちまち ファンになってしまいました。2009年には日本にも来ています。 さて、週末を利用して リスボン郊外へ出かけました。 バスで1時間ほどのところにある 小さな村、オビドスです。 周囲を城壁で囲まれた とても小さい村ですが、ここには カステッロ・オビドスという ポザーダがあります。 ポザーダというのは ポルトガルに点在する 38軒の古城や修道院など 歴史的な建築物を利用して 改装した国営ホテルのことです。 2007年に その中の トップ7が決まり、さらに その中でも 人気ベスト3に入るのが このオビドスにある ポザーダ・カステッロです。 村の端っこにそびえる石造りの城、この15世紀の城を改装したホテルにしたものです。3つある塔の内部も客室になっていて 今回は そのスイートに泊まりました。 小さな城で 客室は 全部で たった9室、その内 スイートが3つあります。 スイートといっても 昔の城ですから 広くはありませんが 塔の内部、一階が バスルームとリビング、螺旋階段を上ると そこが ベッドルームという造りになっていて、雰囲気が楽しめます。 ここのレストランも人気があり、マニュエル様式の出窓になっている席は いつも人気の的です。 実は 我が家は今月、結婚25周年の銀婚式、それで 一足早く、ここで 銀婚式のお祝いをしてきました。 ポルトガルの小さな村の古城、雰囲気は抜群だったのですが、なんと 主人が螺旋階段を踏み外し 剥離骨折、古城の暗い部屋で 湿布を貼りながら大笑い、 健康第一、が教訓となった銀婚式祝いでした。では ここで またマリーザの歌を聴いていただきましょう。くちづけ、海の声、開拓、3曲 続けてどうぞ

くちづけ             
海の声              
開拓               

マリーザの歌で くちづけ、海の声、開拓でした。 翌日、オビドスを早朝 あとにして バスでリスボンに戻り、電車で 世界遺産の町、シントラへ向かいました。ポルトガルは 交通の便がいいとはいえない上、週末は 極端にバスや電車の便が減るので 注意が必要です。 レンタカーを借りて ポルトガルの小さな村をまわっているアメリカ人夫婦に会いましたら「レンタカーは便利だけど 村の中に入ると あまりに路地が細くて 運転が難しい、日本人なら大丈夫かもしれないわね」と笑っていました。 シントラは イギリスの詩人、バイロンが「この世のエデン」と称えた美しい景観を持つ町で 世界遺産にも登録されています。王宮を中心として、緑深い山の中に 美しい城や貴族の別荘が点在し、観光客にも人気が高いようです。ベーナ宮殿、レガレイラ宮殿の見事な景観と その贅を尽くした建築は、昔も今も 多くの人々に愛されて 訪れる人が絶えません。 シントラでは イベリア半島で一番古いホテルに宿泊しました。創業は1764年、バイロンも滞在したそうで、彼が泊まった部屋も残されています。 私は 世界各地で 数え切れないほどのホテルに泊まりましたが、ここは 今まで泊まったホテルの中でも ベスト3に入ると思います。 レセプションの対応も素晴らしく親切で、私たちの泊まった部屋は 「お茶の部屋」という もともとサロンだった部屋で 明るい角部屋のリビングに こじんまりとした寝室、バスルームも センスのよいデザインでまとめてあり これで一泊 二人で1万円を切っていました。高い料金を出せば もっと豪華なところは いくらでもありますが、料金とサービス、居心地のよい空間をトータルで考えて たぶん もっとも価値のあるホテルだったと思います。 ここのレストランも最高でした。夕食はちょっと奥まったプライベートな空間で、朝食はテラスで、翌日のランチも 緑いっぱいの庭に面したテーブルで楽しみました。 味も美味しく、サービスも完璧で それでいて リラックスできる。旅で疲れた体を休める、という目的以上の価値があるホテル・ローレンス、できることなら 数日 滞在したいところでした。 では マリーザの歌を続けましょう。 アルファーマ、モウラリアの居酒屋、風の魂、3曲 続けて どうぞ。

アルファーマ           
モウラリアの居酒屋        
風の魂⑩

マリーザで アルファーマ、モウラリアの居酒屋、風の魂でした。 シントラからバスで1時間ほどで、ユーラシア大陸西の果て、ロカ岬に行くことができます。北緯38度47分、西経9度30分 140mの断崖絶壁の上に、ポルトガルの詩人、カモンイスが詠んだ詩の一節が刻まれた石碑が立っています「ここに地果て、海始まる」ポルトガルは大西洋に面している、と実感できます。 インフォメーションに行くと 最西端到達証明書を書いてくれます。名前と日付を 古式ゆかしい字で書いてくれるので 私も記念に書いてもらいました。 ヨーロッパもあちこち行きましたが、ついに ユーラシア大陸の西の果てにも立ち、この大西洋の先には アメリカ大陸があるのだ、と思うと なんとなく世界が狭いようにも感じました。スペインに寄りそうような国、ポルトガルは スペインと風土や人間の気質が似ているのか、と思っていましたが、実際は ポルトガルはポルトガルで スペインとは 全く違う、地中海気候、気質とは違う性質をもった 独特の雰囲気を持った国でした。 陽気な性格でありながら 少しシャイで 丁寧、もてなす心を持ち、誠実なポルトガル人は 旅人を心地よく 迎え ポルトガルの旅をとても楽しいものにしてくれました。 また ぜひ行ってみたいと思っています。 では マリーザのファド、おしまいはこの4曲、言葉が指示してくれるなら、ギターラ、小さな真実、私の家、続けてどうぞ

言葉が指示してくれるなら     
ギターラ             
小さな真実            
私の家              

マリーザの歌で言葉が指示してくれるなら、ギターラ、小さな真実、私の家でした。今日は 今 人気・実力ともナンバー1の ファディスタ、テラ・マリーザのアルバムをお送りしてきました。 今日の最後は スペインの作曲家、アルベニスの作品をお聞きいただこうと思います。マヌエル・バルエコのギターで アルベニスのスペイン組曲 作品47、完全全曲版で どうぞ

スペイン組曲 TOCE-13047  

マヌエル・バルエコのギターで アルベニスのスペイン組曲 作品47、完全全曲版でした。いかがでしたか? 今日は 2か月に渡ってお送りしてきた リスボンの旅、後半をご報告しながら テラ・マリーザの歌声を中心にお送りしてきました。 来週のこの時間は 蓮村 直さんの「映画に関連したクラシック曲」そして 来月の室内楽の時間は 熱戦で日本中が沸いたオリンピックが行われた イギリス・ロンドンをご案内しながら イギリスの作曲家の作品を ご紹介する予定です、どうぞお楽しみに では 今日はこのへんで、ご案内は三浦郁子でした。
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